自動販売機ビジネス(フル・オペレーター型)において、オーナーにとっての収益のしくみはどのようなものかを紹介します。そもそも、オーナーの取り分については「手数料」「ロケフィー(場所代)」など自動販売機設置事業者によって表記方法に違いがあるもの。これらは収益の条件とも関連するもので、代表的な2つのしくみについての説明からスタートしましょう。
オーナーが受け取る収益の設定としては、連動型と固定型とがあります。自動販売機設置事業者はいずれか一方を採用しているケースと、両方の組み合わせや切り替えが可能なケースもあります。どちらにも共通しているのは、自動販売機の稼働にかかる電気代はオーナー負担となるのが一般的です。
文字通り自動販売機の売上に連動して、オーナーの取り分が変動するシステム。飲料1本の売価に対してパーセンテージで報酬率が設定されています。
100円自販機なら飲料1点の売価は100円なので、報酬率が10%なら報酬は10円、15%なら15円になるわけです。
自動販売機の売上とは関係なく、自動販売機設置事業者から設置場所を提供するオーナーに対して契約で決めた金額が毎月支払われます。金額は自動販売機設置事業者側で設定する固定額が一般的ですが、設置場所や台数などによって契約前の提案条件が変わることはあるようです。
オーナーにとって売上連動型と固定型どちらが得か、販売状況によって変わるので、簡単にシミュレーションをしてみましょう。
売上連動型の報酬率は10~20%が目安となっているので(2021年5月時点、編集チーム調べ)中央値である15%で算出、固定型は平均値といわれる12,000円とします。販売本数は大阪市建設局が公開している駐車場お自動販売機売上本数を参考に、月500本を基点として1,000本売れた場合と250本しか売れなかった場合を試算、飲料単価は1本あたり100~150円の中央値として125円としてみました。
参照元/大阪市建設局「市立駐車場出庫台数並びに自動販売機売上本数及び自動販売機売上金額(平成30年4月~平成30年11月)」(https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/
0000459/459791/riyoujyoukyou.pdf)
※2021年5月4日調査時点
売上本数 | 売上連動型 | 固定型 |
---|---|---|
250本 | 125円×250本×15%=4,688円 | 12,000円 |
500本 | 125円×500本×15%=9,375円 | 12,000円 |
1,000本 | 125円×1,000本×15%=18,750円 | 12,000円 |
この場合、月の販売本数が640本だと売上連動型の収益が12,000円と、固定型と同額になります。
なお、新大阪駅の事例は春~秋の数値であり、一般的に冬は売上が落ちる傾向にあります。
売上連動型のメリットは売上本数が増えれば増えるほど収益も増えること。逆に、売上本数が少ないと電気代がオーナー負担になる分、損をするリスクもあります。
固定型のメリットは売上本数に左右されず、毎月固定収入が見込めること。電気代を差し引いてもオーナーの手元に利益が残ります。ただし、一定以上の売上本数になると、機会損失したような気持ちにはなるでしょう。
売上連動型にしろ固定型にしろ、販売データなどを持っている自動販売機設置事業者からすれば、収益が見込めない場所なら設置自体を断るのが一般的。その上で、売上連動型の報酬率は設置場所の人通りや周辺環境など土地の価値によって決まる傾向があります。
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